職業としての詩人/和泉 輪
 
して日本との詩に対する認識の違いを説明することができるだろうか?詩の優劣の問題は別として、少なくともトルコのほうが詩人にとって好ましい環境であることに疑う余地はあるまい。

私たちはしばしば 詩人が職業として成り立たないことを嘆く。しかし詩人を取り巻く日本の閉塞した状況は当の詩人たち自らが造り出したものであり、あまりにもエモーションの伝達をないがしろにした末の当然の結果だと言える。これはあをの過程さんがおっしゃられていることと一部重複するのだが。詩の芸術性を推し進めれば生活自体が危うくなり、その逆もまた然り。そこらへんのバランス感覚が現代日本の「詩人」を目指す詩人たちを悩ませていると言える。
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