ひとよ 昼はとほく澄みわたるので/yo-yo
 
どいない五月のホテルで、二日間、ぼくたちは食事時間以外は忘れられた客になって過ごした。

   それは 花にへりどられた 高原の
   林のなかの草地であった 小鳥らの
   たのしい唄をくりかへす 美しい声が
   まどろんだ耳のそばに きこえてゐた

部屋の前には林と広い芝生の庭が広がっていた。それがゴルフ場であることも知らなかった。終日、芝生の上に寝転がって、聞いたこともない珍しい鳥の声に驚いていた。木々が密生した林の上に、青い空に消え入りそうな優しい形をした山があった。それが浅間山だとはじめて知った。



   吹きすぎる風の ほほゑみに 撫ぜて行く
   朝のし
[次のページ]
戻る   Point(4)