おやゆび姫/紀茉莉
 

ものがたりがおわる
そこからがせいかつ
おやゆび姫だった
日々が
かたち作った
すがたとことばをもって
どんなひとたちがまわりにいて
なにをのぞみ
その、なにをかなえてあげられて
どんなことに反発し
どんなふうにこなして
過ごして
きた
いろんなひとたちが
いろんな場所で
納得のうえか妥協のすえか在るように在って
かつては、居られることだけしか許されていなかった
けれど
ほんとうは、どんなふうに居たかった
だから
だれのためにどんなふうに生きて行きたい
そのために、なにをできるようになりたい
なにをかなえようとしているの
これから




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