欲望/結城 森士
 
だ去るばかり。
激しい雨が降る。

暗い。此処は。
光は、闇に掻き消されるものなのだな。







諦観として。
僕に人を許すことが出来るのなら、
貴方を許したい。そしてそれが貴方を想う気持ちの
最たるものであるのならば、僕が冷め切っていても
そこに愛があるものだと信じたい。
もしそれが可能なら、
僕は僕のこれからの出来事の全てを
許すことが出来るのだろう。
生きていけるのだろう。

守りたいもの。
命を賭けても守りたいもの。
譲れないもの。大切なもの。
絶対に妥協しないこと。許さないこと。
例え犠牲が生まれようと、貫けるもの。
それを信じ
[次のページ]
戻る   Point(0)