欲望/結城 森士
信じることが出来るのなら
僕はとても情けない生き方をしていたとしても
自分を愛することが出来るのだろう。
守っていけるのだろう。
暗い、とても暗い。
誰も知らない。
誰も教えてはくれない。
暗い。そして、呼吸が苦しい。
僕についてくることは出来ない。
僕には、美学を証明することが出来ない。
孤独が美しいものだと想っていたとしても。
贖罪こそが人生だと信じていたとしても。
人一人、幸福にすることが出来なかった僕に
生きる資格も無い。僕には資格が無い。
誰か僕が危険な場所にいることを教えて欲しい。
どうか、僕を遠くから眺めて笑いものにするのはやめて欲しい。
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