*浮き島/チグトセ
は……そうだな、神社の境内にいる。それで、ここから出られない。どうやら世界はここしか残っていないらしいことも確認済みだ。俺たちが死んだのか、世界が死んだのか、よくわからない。さあ、どうする?」
「サラリーマンは……いてもいなくても同じだよな。はは……仕事でもしててもらうか」
「じゃあ、お前の意見は変わらないんだな?」
寺内は鋭く言い、僕はバックステップで飛び退き、僕のいた空間を寺内の拳が引き裂いた。直後、地面がなくなって僕は台の上から砂利へ落下し、重力の方向と前後左右が一瞬わからなくなり、無我夢中で体を転がすと寺内の荒い息がすぐ耳元で聞こえた。闇雲の拳を放つ。空を切る。砂利の音が五
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