岡部淳太郎「迷子 その他の道」に寄せて/ふるる
 
れていなければ、それを試みようとする者が側にいれば、人は再び歩き出すのではないだろうか。
回答でなく、同情の言葉でなく。本当に必要なのは、肯定の呼びかけなのだと思う。「地下室があるのだろうか」といぶかしみ、決めあぐねている相手に、「この城には、地下室がありますよ」と心の中で励ますように呼びかけることが。

さて、本来ならば「迷子」がどのように技術的に優れ、かつ鋭い感性でもって書かれているかということを述べなければならないのだろうが、筆者のあまりに乏しい経験と知識では荷が重い。各自、この作品を読んでそのすばらしさを味わって下さいとお願いするしかない。(涙)

この詩集には抗いようもない「た
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