岡部淳太郎「迷子 その他の道」に寄せて/ふるる
んに捧げられている詩集だから、というだけではない。私はネットで公表されている氏の詩郡の中で、「夜、幽霊がすべっていった・・・・」というシリーズがとても好きなのだが、それらの中でも死の影は濃く刻まれている。明るい希望を歌った詩や、メルヘンタッチの癒されるような詩が多くある中で、「死」という暗い(とされている)ものを扱い続ける氏の作品ではあるが、それを読んだ時も、この詩集においても、死の影がありつつも、それを暗いだけのもの、としては扱わず、ましてや映画や小説のように、ドラマを演出するために使われているのではないことに(もちろん全ての映画や小説がそうだというわけではないし、むしろほとんどの物語において死
[次のページ]
戻る 編 削 Point(10)