掌編小説『しゃしんの女』 〜下〜/朝原 凪人
星を言い当てられ、私はただ頷くだけしかできなかった。薄ら寒いのに暖炉の熱がやけに熱く感じる。汗が顎を伝って、落ちた。
「貴方って、聡いようで、間が抜けてるのね。貴方を玄関で出迎えたのが私だったことで気付かなかったの?」
言われてみれば確かにそうだった。
主人自らが客を出迎えるんて。それもこんな一介のライターを名ばかりとはいえ王家の正統後継者が。ありえるはずがない。
「そうでなくても、こんな落ちぶれた家に従者なんているはずもありませんわ。人が埋まると、その熱か何かで雪を溶かしてしまうのかしら?」
女は独り言のように呟いた。いや、きっと独り言だったのだろう。
「い
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