【親友の恋人略奪事件】/クローバー
 
よってのみ、信頼を守れるとした健気さであり
渇ききってしまうことのできない、人として当然の水分への飢えであったに違いなく
朽ちるべき嘘を僕が真実と呼んでいたことから
僕が彼女をしっかり見ていなかったということを露呈し、それは
彼女の優しさに甘えきって笑顔の内側に燻った深い孤独を見落としていたことを示し
全ては関連性を持って、結局、嘘は僕の中へと収束していく。
喉の渇いた彼女が好きなレモンティがなければ手に入るミルクティを飲むのは必然であり
繰り返しミルクティを飲んでいるうちに、親しみをもって好むようになる
のもまた必然であったように推察する。

拾い上げたひとつの嘘を僕はハンカ
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