この際なんでも面白がれ!あるいはパレアナ症候群/佐々宝砂
私は仕事に行けなくなって会社をクビになり、細々とライティングの仕事をしたがそれもITバブルがはじけて打ち切られ、貯金がなくなって自動車保険が払えなくなったので、車を手放した。我が夫はたいへん優しいのだが、自分の車の保険くらい自分で払えというおひとである。まあね、中卒で働いて、アル中の父親の面倒を何十年とみてきたひとだからね。ある意味厳しい。それはそれで、いい。でも夫は私の異常に気づきながらも病院に行けとは言わなかった。その手の知識を持っていなかったからである。私は二十歳の頃に鬱というか摂食障害になって精神科に通院したことがある。あの頃みたいだな、明らかに私あたまおかしいよなあと思いはしたもの
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