この際なんでも面白がれ!あるいはパレアナ症候群/佐々宝砂
を感じた。なにしろ泣けてきてしかたないのである。たいへん優しい夫にモノぶっつけて「なによあんたなんか私のこと全然わかってくれないくせに!」と叫び、あげくの果てに「助けてよう、死にたいよう」とさめざめと泣くのである。もう世の中の何もかもが怖くて悲しいのである。スーパーにゆくとレジ係に怒られそうで怖いのである(普通レジ係は客に向かって怒ったりしません、よっぽどのことがなければ)。道を歩いてて子どもに出くわすと石を投げられそうで恐ろしいのである(まあ、そういうことする子どもも中にはいるかもしれん)。近所の人が立ち話でもしてようものなら、ありゃ絶対私の悪口だと思えて、そそくさと逃げてしまうのである。
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