絵のない絵本のような/朝原 凪人
 


「う、うわ〜ん! おかーさぁん!!」

さっちゃんはこえをあげてないてしましました。

「あらあら、やっぱりさっちゃんはなきむしさんね」

おかあさんはくるしそうにわらいながら
さっちゃんのあたまをなでてくれます。
でもさっちゃんおなみだはとまりません。

「そうだ、さっちゃん。おかあさんね、さっちゃんにおてがみをかいたの」

そういうと、おかあさんは
まくらのよこにおいてあった
おてがみをさっちゃんにわたしました。

「さっちゃんはもう、じはよめるかな?」

さっちゃんは、うん。とうなずきました。

「そう、えらいわ」
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