絵のない絵本のような/朝原 凪人
」
おかあさんはわらってくれました。
「いまのさっちゃんには、まだすこしだけむずかしいかもしれないけれど」
「ううん。さっちゃんちゃんとよめるもん」
さっちゃんは、おかあさんからもらったおてがみをひろげました。
おてがみをよめるところをおかあさんにほめてもらいたかったのです。
『だいすきなさっちゃんへ
さっちゃん。おかあさんはさっちゃんがだいすきです。
かみさまがくれた、さっちゃんとのであいのたねを、
おかあさんはだいじにそだててきました。
そして、さっちゃんというきれいなおはながさきました。
であいのたねは、さっちゃんのな
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)