ある親友/まどろむ海月
確実にやって来る君を
待つ 時 を愉しむ
樹に群がりふるえる 黄金の鳥たち
ふいに君は姿を現す
一陣の強風に
鳥たちは舞いたち 舞い上がる
樹から 地から 渦となり
金のすじとなって 蒼空の彼方へ
思わず空の果てを見つめる
たがいの姿に
僕たちは
微笑む
? ある親友
暗闇の狭間を
久しく辿って
赤茶けた岩山の
荒野に出たときも
シレーヌのような
砂嵐が襲う
遺跡の都を
過ぎたときも
灼熱の
火炎の中を
翼を燃やしながら
くぐり抜けたときも
凍てつく孤独とともに
蒼い氷山
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