ある親友/まどろむ海月
氷山の内に
みじめに閉じ込められていたときも
いつもいつも
僕は君への手紙を書き続けていたよ
いつもいつも
僕は君への手紙を書き続けていたよ
決して投函されることのなかったそれら
君への手紙を書き続けること
そしてそれを自分の中に封じ続けること
それがぼくを僕の崩壊から守ってくれた
ぼくの中のポストは
小さなブラックホールだ
でもそれは宇宙のどこかで
微かなホワイトホールとなって
きっと輝きを吐き出し続けていると
いつもぼくは想像する
こんなに永い間
親友の君に会わないでも
耐えていられるのは
こんな理由からだよ
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