ガードマン/yo-yo
 

ガードマンはハンコを押す
祝日だから
ビジネス街はひっそりとしている
八十八階の窓から山が見える
あの向こうで母は
病室の四角い空を見てるのだろう
雲という名前を失った雲は
やはり雲なんだろうか
青い記憶の中を流れてゆくもの

ドアを開ける
ドアを閉める
いつもの言葉でいつもの言葉を確認する
ネクタイを締めなおし
帽子を被りなおす
ビルの角を直角に曲がって
ガードマンは消える

街の道路はどこも直角なので
自転車も野良犬も直角に曲がる
壁と壁の谷間
ガードマンは壁のまえで嘆く
異常がないということを
壁の向こうまで確かめることはできない
ガードマ
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