ガードマン/yo-yo
 
ドマンはハンコを押す

迷いながらゆっくりと
ときには標識のない道をさがす
言葉を失った母は何をさがしているのだろうか
雨も青空も西からやってくるのに
もう頭痛で天気を当てることもできないだろう
エレベーターで天空の屋上へ直行し
ガードマンはハンコを押す

オレンジ色の気動車が
一日に数回停車する
若葉が燃える無人駅にひとり
ガードマンは立っている
母から手渡された小さな紙きれ
ガードマンはハンコを押す
時刻表はたぶん合っているだろう
一日だけの休日
彼はじっと線路の行方を見守っている





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