信ずるな、考えよ!/カスラ
を奪い、纏足の呪詛をかけているのものの本当の正体は受験教育などではない。
〈ふさわしい魂にのみ、この言葉を植えつけるのだ〉(パイドロス)
確かにその歯牙にかかり、マインドコントロールされた子供たちや若者は、その硬く閉ざされた鎧の中に、眼を塞ぎ、耳を塞いでいるのだから、真理が言葉の相手を選ぶ限り、それは届かない。「相応しい魂」以外に「救い」を語ることは、それ自体が新たな信仰の強要となるやもしれない。
大衆というものは、昔も今も、認識よりも救済を求めるもので、苦しみの何であるかを知るよりも、苦しみから救われることのみを望むものだ。本当は、苦しみの何であるかを知ることが、苦しみから救わ
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