スプートニク爆乳業/カンチェルスキス
 
だめだろう。サッカーのスタジアムでハーフタイム中に氷水に浮かんでるジュースなんかの横で売ってもだめだ。サッカー観ながらしゃぶしゃぶを食うやつなんてどこにいるんだ。足の指先に力を込めて耳の穴から脳が漏れてこないように必死だ。それが考えることだ。
 おれは何度も考えた。考えまくったせいで、なあ、お楽しみにしてる人もいるかもしれない、どれぐらい考えたんだおまえって声。楽しみにしてるやつなんてたぶんいないだろうから、この際はっきり言っておくと、田舎の白髪角刈り日焼け爺の鼻から『房』で飛び出してる鼻毛以外のことが気にならなくなるまで、おれは考えた。こんな別に何かうまく言えたぜみたいな気分になってるように思
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