スプートニク爆乳業/カンチェルスキス
 
に思われがちだけど、実際は、その通りなんだ。おれは遠くから見た団地の各部屋みたいに割れた腹筋を手に入れた。手に入れたとたん、手放した。コーヒーカップのないところに角砂糖を一つ落とした。
 考えた割には結論を忘れた。
 これだけの結論に辿り着くまでおれは苦闘してきた。ピザ宅配の兄ちゃんにすれ違うたびにサロンパスを投げつけられ、親戚にうまい儲け話がある来年のトレンドは地下足袋だ一緒に警備会社でもやらないかと誘われ、水虫菌観賞祭りを主催して、中部圏に15件の店舗を誇る看護婦が作る仕出し料理屋に成長させた。我々の力だ。だが、その親戚というのは、よく見ると親戚じゃなかった。間近で見るとどうも、違った。親
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