「よもつしこめに…」への:追記的私信。/カスラ
た。あるいは、光ではないものがそこにあるから、それは光であると言われ得た。それがどちらであるにせよ、詩人が、ある言葉を感受するということは、ある言葉がそこに在る、それら感受の全歴史、「創成」以来の一切の結晶として、そこに在るということだ。そうでなければその言葉は、そこに現存していない。当たり前すぎるような、しかしこれは法則である。だからこそ、初めてそれを聴いた時から「言霊」という水晶の舟に既に乗せられていた少女は「詩人」になったのだ。詩人とは、言葉と宇宙とが直結していることを本能的に察知している者を言う。
詩人の意志と言語の自律性とは、ある「絶対」の自己表現であることにおいて、同一の現象なの
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