幻想と真理の彼岸で/板谷みきょう
いもので自己証明できないものなのサ。アッケラ感からかんからとドラムを叩き続ける。
「俺達、何て言うか。ホラ、草や木なんかが、太陽の光に向かって育つように、本能的に快楽に向かって行くんだろうな。」
「人間なんてみんなそうサ。極端に言えば、その時さえ良ければ、他人ばかりか自分自身が苦しむ事になるのが解っていてもそっちを選んでしまうんだよ。まっ、つまり刹那刹那に“快”をチョイスしちゃうんだよ。」
「あのなんてったっけ、とても肥えた人間が空腹で食べ物はあるんだけど、間に鉄の柵があって手が届かない。それで飢餓に苦しむんだけど、結局は痩せ細った時に鉄の柵を通り抜けられて、求めていた食べ物にありつけるって
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)