クローバー/優羽
ていった。
「な?落ち込むことなかったろ。これで来世の夢は叶ったぜ」
やったね、と互いの手を叩いた。ずっと触れていたい。私は望んではいけないことを考えていた。すると、彼の方から手を握ってくれた。彼には私の考えなどお見通しだった。
「来世でもよろしくな……?」
「うん……」
「お前の好きなもの持ってくから。俺だってわかるように」
「私の好きなもの……?」
「みればわかるよ」
――そして私たちの夏は終わった。
?
あまりにも気持ちよくて、少しうたたねしてしまったらしい。約束の話を思い出していたからか、遠い昔の自分の夢をみた。少し胸が苦しくなった。あの人はここに現れるのだ
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