クローバー/優羽
 
のだろうか。私はちゃんと待つことができるのだろうか。考えれば考えるほど不安はつのっていった。
 すると、空から何かが降ってきた。草原の上に落ちたものをみると四ツ葉のクローバーだった。それは私の名前であり、空と同じぐらい私の好きなものだった。私はもう一度辺りを見渡した。誰もいない。どこから降ってきたのだろう。そうだ、空から降ってきた! 上を見上げると一羽の鳥がこちらへとゆっくりまわりながら降りてきた。間違いなくあの人だった。
「ちょっと遅れたな、悪い。幸葉、それ好きだったろ?」
 幸せの葉とかいてゆきは。私の遠い昔の名前だ。私は思わず泣いてしまった。彼は優しく寄り添ってくれた。温もりを感じて私はさらに泣いてしまった。
「やっと私たち、出会ったんだね」
「おう」
「これからよろしくね」
「だな」
 そして私たちはどこまでも続く空へとはばたいた。

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