独白1/相良ゆう
を思います
どうかこの人の怒りが、憤りが、静かに終わりを告げますように、と
でも本当に怒っている人の迫力に圧倒されてしまって
余計なことを口走ってしまったりして
火に油をそそぐこともしばしばです
しまった、と思っても後の祭り
燃え盛る炎は近くにいる人も飲み込んで
火事場を広げてゆくのです
私は炎の真ん中で火元が燃え尽きて灰になるのを待ちます
なるべく言葉を選んで 空気を注がないようにします
「あなたは、はい、と、いいえ、とだけ言いなさい」
きっとこういうときのための言葉なのだと思います
一緒に燃え上がるようなことはしません
あんまり好きじゃないんです
も
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