冷たい月/キメラ
ま一心不乱にシゴいた。
「優美で誇り高きケダモノめ…」
射精を終えると、からだをフローリングに放り投げ煙草に火をつける。
世界が遠すぎる狭い部屋にどうしようもなく蓄積されたカタルシス。
気付かずも月の夜に牡犬は鳴く。
退廃が闇を支配しはじめた。
あくる日、習慣からか男はコンビニに朝食を買いに出かけた。
いつもの角を3つ曲がったところで、小さな声がする 「あの…」
虚妄なのかリアルなのか、そんなことはどうでもいいだろう。
振り返るとそこには、制服をきちんと着た女学生がこちらを見てにっこり笑っていた。
「はい?」男は怪訝そうに答えると、少女はすこし髪を気にしながら控えめに
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