闘争への序曲/黒猫館館長
をわれらに与えたまえ。
アーメン。」
異端審問と賛美歌の狭間で鉄の処女の扉が開く。
今また暗黒の中世が帰ってくるのだ。
暗い雨の降る日曜日の午後。
友よ。
わたしはたったひとりで貴方への手紙をつづる。
「友よ。
希望などないのだ。
それはかって神と共に死んだ。
もし、
万が一、
希望なるものが見出されるとしたら、
それは死んだ筈の神の亡霊との終わりなき戦いの裡に、
電光のように、稲妻のように、
光っては消えてゆく一瞬の花火のごときものとして存在する。
友よ。
貴方も私もいつかは神の亡霊を祭祀する、
暗黒の司祭たちの手によって、
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