俳句の授業?/カスラ
 
は無限大に無辺に在ることではないのか。そして後半、彼の『両手』は静かに天へ向けて開く双葉のように並んで放たれている。では最後の『受ける』のは何を受けているのだろうか。これまでの人生が幸い薄い、ましてや肋膜炎から結核を患っていたのだから余命いくばくとも知れず、先も決して明るいとは言い難い彼がである。
もっともこのような筆者の直感による勝手な解釈は主観の域を出ることはなく、まったく逆に放哉の魅力は『これっきり』にあるという人もある。人生の辛酸と悲哀と貧困と、そして孤独。そんな生の哀しみをそのままに、何も付け加えることなくそのまま詠んでいる。そこが清々しく潔いのだと。

何れにせよ放哉は人生の岐路
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