青空で出張/水町綜助
か
おかし
おかしい
よ
ぼくはブレーキペダルをふんだ
車は徐々に減速し
同時に僕は車を側道に寄せて
ハザードランプを点滅させ
そしてついに停まった
車から降りて調べてみるとパンクだった
左前輪のパンクだ
スペアを探したがトランク内の納めてあるべき窪みには小さな工具箱と
なぜかかなぶんが一匹乾いていただけだった
僕は赤まるぼろを一本取りだし火を点けて
深く吸い込みゆるゆると吐き出した
断続的に打ちつけるような風にはためいて
しろい煙は
ぼぼぼぼぼ
と燃えるような音をたてて高速道路の下のぽっかりとした空間にとけて消えていった
ガードレールの向こうはジオラ
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