青空で出張/水町綜助
 
ながら
汗を拭き拭き
デスクに沈んでかっとばすので
ぼくはホームランボールとしてスタンドの中で
その坩堝(るつぼ)の中で
ちいさなガキにでも奪い去られてしまうのである

球体力学かネットオークションかで悩まれ
しかし二軍のデイゲームなので値も付かず

ぼくは山梨を一路めざします


そらがあおいですかはるですからね
そりゃあ青いし
桃色でしょう
桜だって
花びらだって
新宿の
上にはしってる
人が歩けない道にだって
舞い上がって
そして
踏まれますよ
どんどんと町が
遠ざかってゆくでしょう
あなたの
あなたに
くっついていた
何本
[次のページ]
戻る   Point(18)