青空で出張/水町綜助
ながら
汗を拭き拭き
デスクに沈んでかっとばすので
ぼくはホームランボールとしてスタンドの中で
その坩堝(るつぼ)の中で
ちいさなガキにでも奪い去られてしまうのである
球体力学かネットオークションかで悩まれ
しかし二軍のデイゲームなので値も付かず
ぼくは山梨を一路めざします
え
そらがあおいですかはるですからね
そりゃあ青いし
桃色でしょう
桜だって
花びらだって
新宿の
上にはしってる
人が歩けない道にだって
舞い上がって
そして
踏まれますよ
どんどんと町が
遠ざかってゆくでしょう
あなたの
あなたに
くっついていた
何本
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