らぶれた/影山影司
い。
早速、家に帰って注文伝票を作った。家が酒屋だと、こういう時に便利だ。サービスでソーダやツマミもチェックしておく。親父は薄々俺の商売に気づいているようだが、「中学の時から酒を飲んでいた」と豪語している以上、口出し出来ないようだ。それに、何、これも一つの社会勉強だ、と開き直っているのかもしれない。
酒を注文しても、結構な額が手元に残った。高校生にはちょいと高額な程。
靴が古くなっていたので、学校帰りに買いに行くかと考えたのが、良くなかった。そんな日に限って、商売女に引っかかるんだ。
「ゴム、あるよ」
キリコがにやりと笑ったのに、俺は逆らえなかった。
昼休みだ。屋上に
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