らぶれた/影山影司
 
に勤務していたらしいが、現在は予算と人材の都合上、閉鎖している)であった。
 キリコは、保健室の鍵を持っていた。その鍵はもしかしたら、先生とヤって手に入れたのかもしれないが、とにかく、キリコだけの鍵を持っていた。商売の予約が入るとその鍵を持って、内側からガチャンと閉めてしまうのだ。お陰で「ヤり場」と呼ばれるその保健室は、いつも籠もった獣の臭いが漂うのだ。



 キリコの足下に跪いて、右手をスカートの中に突っ込む。冷たい鉱質の床に、膝がゴリゴリと押しつけられるが、キリコの股がぐちゃぐちゃと鳴っている間、そんなのは気にならなかった。
 空っぽの薬品棚。事務机と、こじんまりとした黒い回転椅
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