詩人が収入を得る方法/ななひと
 
である。大学、高校、詩人の教員率は恐ろしく高い。教員でなくとも、今でいう「カルチャーセンター」のようなところの講師名簿に、ひょんなところで名前がはいっていたりする。
時代が飛躍するが、詩人が「詩人」としてお金儲けができるようになるのは、大正後期から戦前までである。それはなぜかというとラジオのせいである。ラジオで、詩が読まれるようになるからである。戦争が始まると、国のお偉いさんが来て、戦意高揚の詩を書くよう詩人に頼む。戦争協力の詩を書くのは嫌だ!という詩人は実はあまりいない。今から見るとそうしたことで詩人に「キズ」がつくのだが、当時の人は(時期によるが)戦争を悪いことだとは思っていない。お国のため
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(9)