春にゆれて/まどろむ海月
 


 ねえ
 春だよ
 春なんだよ
 見知らぬ駅で
 降りてもいいじゃないか
 ゆっくりゆっくり
 花の息を吸い込んでごらん
 そこに
 優しく撫でる水も
 まどろんでいるから





 子供が忘れた
 日向のあつさに
 雲を浮かべて
 はなしかける声は
 そよそよ吹いている





 星は

 まだ

 まだ見えない









   ? 春にゆれて





 冬姿の孤独がゆれている

 君は
 僕ではなかったか



パルメニデスの
スファイロスような
量子力学の宇
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