春にゆれて/まどろむ海月
 
の宇宙
単独に存在している物事は
無い と

ひとつの悲しみが
彼方の星を雨で濡らし
ひとつのあふれる喜びが
彼方の星の草原の花々を咲かせる
そんな想像が
真実に思えて
 あの雲の動き



 空の青さに惹かれ
 とおい旅
 冬の日々の
 ぼくと雲

 いま
 きみを思いながら
 まどろむ春




 すべては
 新しくなった

  はずはなく
  それでも…





  この
  春の中を
  あゆむ人は
  老人も
  赤ん坊も
  微かに
  笑って
  いる

   





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