眩しいものの話/クローバー
 
ソリの夢は、赤い夢。
針を恐れる人々と、毒を恐れる人々と
ちょっとだけのお話をして、静かに微笑むことだけ
振り上げられた、尾っぽを、めでるように、包んで、言う
あぁ、私は、これがなくては、サソリではいられないのです
これがなくては、サソリではなくなってしまう
しかし、これがあるばかりに、これがあるばかりに・・・


7『コーヒーミルク』  
     
コーヒーミルクから、コーヒーを取り出せたら
コーヒーミルクだったものは、ミルクになることができるのだろうか
白いミルクの河が屑星たちの光でできていることは、知っていたんだよ
河のほとりで、水を汲んでいる農夫のバケツから、
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