眩しいものの話/クローバー
ら、白いミルク色が瞬きながら零れて
コーヒー色の真空にパリリ、と飛散してしている
向こう岸には、カラスが群れをなして、オレンジの落穂をつついている
その足元のスズメたちは、零れた米粒をしきりに喰らい
その銀の米粉をフワリフワリ、と風に躍らせていた
ずいぶんと忙しい様子で、嘴を動かしていて
嘴の動くたびにマグネシウムの火の粉が散った
バケツの水はミルク色の水滴をパシャリパシャリと光らせ
真空のコーヒーに溶けては、また、消えた
8『幸いのこと』
(省略)
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