追伸/はらだまさる
 
どんなに酷い罵りの言葉であったとしても、それがものすごい愛情のうえでなされる場合があるんだと思います。
 ぼくは今、三十二歳で結婚もしてますが、十代や二十代の頃に、それこそ、たくさんの言葉で傷ついて、それに負け続ける無力で弱い自分に苦しんでいました。だけど、傷つけられたことや、その傷ついた心がいけないとは、まったく思っていません。
 それは運良く、本当に殺傷能力のあるような恐ろしい言葉に出会わなかっただけだと煽られそうですが、今も生きているから云える言葉ですが、ぼく自身、過去に苦しくて自殺を考えなかったということはないし、胃潰瘍も、十二指腸潰瘍も、血便も、嘔吐も、自暴自棄も、自虐も、心の痛みに
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