追伸/はらだまさる
 
みに耐えられず、自分の身体をナイフで傷つけたこともあるし、本当に人を殺しそうになったことも、精神病院に通っていた時期もあります。どうしようもなく弱い、恥ずかしい人間でした。世界に、そして自分自身に絶望して、こんな世界から遠くへ逃げようと、必死で世界に責任を擦り付けて、唾を吐いて生きていました。才能のある人には「お前のそんな懺悔なんか読みたくもないんだよ」馬鹿にされるようなことだと、自分でも十分に理解していますが、それでも語らずにはおれません。

 「傷つく」というのは「生きる」というのに非常に良く似ていると思います。すばらしい、と感じる芸術作品というのは、音楽でも映画でも文学でも、その鑑賞者の
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