春のこの夜、誰よりも君を愛す。/まどろむ海月
 
の日だって
いっしょに走ったり抱きしめたり
あんなに大事につきあっているのは誰

それなのにたった一言
誰よりも君を愛す と言ったのを
聞いてしまったからといって
あんなに怒り狂うなんて


君はストーブの前で
丸くなって安らかに寝息を立てている
そんな君のことを思いやってもいいはずなのは誰



明日は誰をなぐさめよう
いっぱい遊んであげて

僕の匂いが大好きなのは誰
風呂に入ってなくても

そんな誰でも僕は好きだ



匂宮と薫からの
激しい愛の板挟みに
自殺未遂にまで至った浮舟の心が
男のぼくにわかるはずはないけど
いったいどうしろ
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(8)