俳句の非ジョーシキ具体例4/佐々宝砂
 
いまいち不勉強な人間には、この句のリズムをうまく分析することができない。できないが、たとえば先に書いた高柳重信よりも音楽的な韻律を持っているという気がする(こういう感想は、たぶんあまり非ジョーシキではないが、あまりたいした感想でもない)。

私がもうひとつ好きな完市の句は、「すきとおるそこは太鼓をたたいてとおる」というものだ。この句のリズムも冒頭の「ローソク」とやや似ている。「ローソク」が怪奇映画なら、「すきとおる」は幻想映画だろう。いやマンガにした方がいいかな、『疾風のまつりごと』のころの竹宮恵子の絵で(なんでそこらへんなのかな、なんとなく)。いやマンガになんかしない方がいいかな、私の頭のな
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