俳句の非ジョーシキ具体例4/佐々宝砂
 
のなかだけで絵にする。「すきとおるそこは太鼓をたたいてとおる」。太鼓をたたいてるのは誰だろう。人間だろうか。なんだか人間でない気がする。ちいさな妖精みたいな気もする。でも普通の人が太鼓を叩いてる気もする。なんだかわかんないけど、すきとおるそこを通ろうとするとき、なにものかが太鼓を叩かなくちゃならないのだ。そんな気がする。なぜなんだろう。いったいなぜなんだろう。いったいなぜ私はこのひとの句に惹かれるんだろう。わからない。ぜーんぜんわからん。でも好きだ好きだ大好きだ好きだわー(こんなこと書いてヒヒョーだと言い張るのは、やや非ジョーシキな態度だと思われるであろうが、本居宣長も「いいわいいわ」とのたうちま
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