俳句の非ジョーシキ具体例4/佐々宝砂
 
の句会だと「そんなん俳句じゃないやい」と言われるかもしれんと思う。微妙なところなのだけれど。

冒頭にあげた句は、完市の句のなかで私がもっとも好きで、でもとても怖いな、と思うもの。まるで怪奇映画の1シーンのようだ。映像化したらきっとかなり怖い。いったいどーしてローソク持って離れてゆくのだ。なんで「むほん」なのだ。なんだかわからん。わからんが怖い。伊藤潤二に絵を描かせたい(そういうこと想像して俳句を読むのは、ちいっと非ジョーシキだが、俳句にどういう感想を抱こうとも私の自由である)。

この俳句のリズムは七と五で分けることもできるけれども、それだけではない独自の韻律を持っている。私のようないま
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(7)