水面を泳ぐガチョウ/
 
刺激を、新しい意識を、求めつづけるってことは、裏返せば
刺激にそのものに耐性をツクリそこにパタンとマンホールのフタを
掛けてしまうことでもあるわけで、
ようは慣れると何でもそれが無化してふつーになってしまう。
広がったぶんだけ鈍くなり見分けが付かなくなってしまう。

むかしレコード屋なんかで偶然出会ってえーきょー受けたアルバム1枚にしても
自分の中で何かが変わった気がしたそのときの感じを、
いまそっくりリピートすることが出来るだろうか。
たとえば、そのときの、アオ臭い疾走感。空の色。どうしよーもなく
手に負えないようなキモチ。
たとえば、そのとき、そこで、そいつに、出会えてな
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