「現実の世界」と「物語の世界」/相良ゆう
覚するときですら、空気との接触が必要なのですから。
この世界は本当に淡々としていて、いわゆる物理的法則の範疇を出でない運動、
因果関係によって合理的に説明できるような運動をするだけの世界です。
そしてこの世界の最も基本的なルールは、「今」「此処」という
時間的にも空間的にも制限があるということです。
わたしたちはこの世界を前提として生きています。
わたしたちが生まれたときにはすでにこの世界の法則は成立していて、
わたしたちはそんなことは何も知らずに、
その成立している法則の中に突然放り込まれたのです。
わたしたちは否応なしに「現実の世界」の法則に支配される運命だっ
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