記憶の断片小説・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
 
に色々と教わった。
フロイト、ユング。今はもう殆ど忘れちまったぜ。
詩の事、男と女の事、色々と教わった。先生だったんだ、舞子は。
今はそう思える。俺は馬鹿だったし、何も知らなかった。
無理全てを受け入れられたのは、俺が舞子を狂信していたからだった。

俺が舞子とつるんでいる間ずっと、色々と忠告をしてくれた友達がいた。
何度も、何度も忠告してくれた。
しかし俺は、その全ての忠告を無視して、舞子に狂信的に惚れ狂った。
本当なら、俺はその全ての友人を失ってもおかしくなかったけれど、
今、みんなは一緒に茶を飲んだり、珈琲飲んだりしてくれる。
優しいんだ、みんな。有り難い。感謝の言葉し
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