記憶の断片小説・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
 
うよ。
きっと、何時か是を読むのでしょう。そう遠くない。
明日か、明後日か。

しばらくの間、俺は舞子とも嘉人とも連絡を取らなかった。
私が連絡を取るようになったのは、つい最近の事だ。
舞子とは一度も会っていないが、嘉人とは何度か会った。
数える程だが…。
いや、俺がこうして、自分の中で、全てに踏ん切りをつけてから嘉人に会ったのは、
この冬が最初かも知れない。最初なのだ。
嘉人はまだ舞子を憎んでいたようだし、色々と言っていたけれど、
彼の話も嘘か本当かわからない。口から出任せが5割くらいだ。
それでも、朝まで喋ってられたってのは、いい事なんじゃないかな。

俺は舞子に色
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