「繋ぎとめていてくれ、僕を」/和 路流(Nago Mitill)
繋ぎとめていてくれ、僕を
この地上に
きみの その温かな手で。
僕は、何時も、境界線に立って
炎の上、軽やかなステップを踏んでいる。
迷いがないわけではないのに、
ここを飛び出せず、行き先を変えることもできない。
狂気は日常の先の紙一重だ。
苛立ちと怒りが、時折、僕の仮面を奪う。
自由を切望する葛藤が、
地を蹴って世界を壊してしまえと囁く。
繋ぎとめていてくれ、僕を
この平凡な世界に
きみの その温かな声で。
手をのばせば届くところ、僕の声に応えてくれるところ
そこに、きみが居てくれるだけでいいんだ。
あらゆる束縛から解き放たれるということが、
孤独に
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