記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
を済ませた後、
ゆかりと舞子と別れ、俺はアメリカ大使館に向かった。ビザの申請の為だった。
911のテロ以降、4年と言う長期のビザ申請が出来る最後のラインだったはずだ。
代理店を通して手続きをしたため、1ヶ月掛からずに、ビザは下りた。
大使館を出ると、テレビクルーに突撃取材を受けた。
インタビュアーの人の香水が異様なまでにキツく、気持ち悪くなった。
適当に応えて、その場を逃れた。
代理店を通しせばビザの申請は早く出来る、そんな答えを彼等は求めていなかった。
ただ、彼等が求めていたのは、
「ビザの申請がしにくくなった」
「時間がかかる」と言う事を言わせたかったのだろう。
相手が悪
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